不適格教員からの出発

実体験をもとにした創作です。

通信制の大学に入学

 調べてみると、関東では玉川大学日本大学に教員免許を取得できる通信制の学部があることがわかった。その当時私は趣味で英語の勉強をしていたので、中学高校英語の教員免許を取ることを考えた。しかし小学校の英語教育も始まったこともあり、小学校の免許もいいなと思った。そこで問題だったのは、小学校の教員免許を取るにはピアノが必須だということだ。私は音楽が大の苦手。幼い頃エレクトーンを習っていたことがあるが、音感がまったくなく、教室の先生にひどくけなされた。そのせいで音楽全般、聴くことすら嫌いになってしまった。「ピアノがあるなら小学校の免許は諦めよう」と、日本大学の通信教育部、文学専攻(英文学)に編入学することにした。後で聞いたところでは教員免許を取るためのピアノは全然難しいものではなく、ほとんどの人は問題なく合格する、ということだったが、この時の選択は正しかったと今は思う。